水井選手(K−Uバンタム級1位)はK−Uでの初試合となる。前試合は、全日本時代の3月興行にて、中嶋選手(富士魅)から3ノックダウンを奪ってKO勝利を上げている。全日本時代はあまり脚光を浴びる機会はなかったが、パンチとローキックには光るものを持つ。新天地に移っての第一線はいきなりの国際戦。水井選手にかかる期待は大きいといえる。 その水井選手の相手は、ニチャウ選手。成績は45戦35勝10分け。特に肩書となるべき成績は上げられていないが、ムエタイで45戦も闘いながら、いまだ無敗という事実は看過できないだろう。そして、彼を有名にしたのは、ニカウさんに似ているということもさることながら、何といっても日本にも馴染みのソムデートM16選手を判定で破っていること。 はたして、水井選手はニチャウ選手に初の黒星を付けることが出来るだろうか。
赤い化粧に薔薇(カーネーション?)の花、一寸異様な光景だ
ニチャウの猛攻
確かにニカウさんに似ている
初回からニチャウ選手の巧さが光り、完全に水井選手を封じ込んでしまった。水井選手が首相撲に難があると見るや、しつこく首相撲に持ち込んでは的確に右ヒザを打ちつけ、ガードを下げると、そこにハイ、ミドルを散らし、中間距離でも水井選手を制していた。 ニチャウ選手は、あまりスピードを感じさせなかったが、いやらしいタイミングで執拗に攻め込むあたりの狡猾さはさすが。残念ながら、今の水井選手にはそれに対抗する術はなかったようだ。 数日前に行われた土屋ジョーVSラビット関の試合は、日本のバンタム戦線を震わせる好試合だった。それだけに、今後K−Uバンタム級の王者候補としての期待がかかる水井選手には、今日の試合を糧に今少し経験を積んでバンタム級のトップ戦線に名乗り出て欲しい。 文 片岡