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須藤信充インタビュー
1998.9.22 後楽園ホール控え室

 控室に戻るなり須藤の口から引退の2文字が出た「もうだめ、引退だよ」

Q:ローでやられちゃったってのはメノー戦のダメージっていうのは?。

須藤:イヤァ、もう引退でしょう。今日で分かった。足がねぇ、もう、ダメ。浮いちゃって。練習ではさぁ、軽く蹴るでしょ。だから蹴られても分かんないんだけどね。足が浮いちゃってさぁ。だめ。

※ここに小林選手が控え室を訪ねてきた

小林:ありがとうございました。

須藤:押忍。頑張れよ。

小林:ありがとうございました。

「飯でも食いに行こう」 

須藤:引退だからさぁ。協力するからさぁ。飯でも食いに行くべぇ。

(小林選手が退室)

Q:減量はきつかったですか?。

須藤:減量は関係ない関係ない。

Q:小林選手の存在っとかはどうですか?、須藤選手にとって。

須藤:イヤァ、もう引退だからさぁ。もう分かったから。あ、もう、これダメだなって。

Q:小林選手だからっていうことはあるんですか、相手が?。

須藤:やっぱもう、上の方行くとさ、だめだね。足浮いちゃって。一、二発蹴らると。そいで、やばいってなってビビって、後ろ下がっちゃって。蹴られてお終いだからさ。これはもう、いくらやっても無理だね。足浮いちゃうからさ。一、二発蹴られると。だめだよこれ。壊れてる。

Q:ヒザですか。

須藤:うん。靱帯。ダメだね。痛っくてさ。

Q:一発か、二発もらった時点で?。

須藤:うーん、まぁ、練習では平気なんだけど、やっぱ試合になるとなんか・・・そこがやっぱり強く蹴るられと・・・。ダメだよ。

Q:今回、元同門の小林選手が挑戦者ってことで、燃えるものあったんじゃないですか?。

須藤:燃えるものっつーか、いや、ホントは一方的にぶっ飛ばしてやろうと思って考えてたんだけどね。

Q:実際どうでしたか、感触は?。

須藤:一瞬で変わったよ。

Q:一瞬で?。

須藤:二、三発蹴られて、あ、もうこれダメだって。やばいなって。で、気持ちが下がっちゃって。がーッとやられて、もう、これでもう、絶対ダメだなって。

Q:1ラウンド、逆に須藤選手のローもかなり決まってましたよね?。

須藤:決まってたけどね。ダメだよ、やっぱりさ、もう。

Q:パンチのコンビネーションはどうでした?小林選手の?。

須藤:うん、いつも俺、ウェルター級のとかとやってるからさぁ。練習でもウェルター級のヤツとやってるから。うーん重いとかってのは分かんないけど。大谷とかの方が重かったけども。

Q:どっちかって言うと、蹴りの方が、足に来たっていう感じで?。

須藤:・・・の時は体小さかったからね。嬉しかったんですけどね。だめだね。大きなヤツとスパーやってたから体ちっちゃいナァと思ったんだけど、一瞬で変わっちゃうね。

Q:今回負けたら引退ってことは考えてたんですか?。

須藤:いやぁ、やりたかったけど、一生やりたかったけど。ずっとやりたいっすよ。やっぱり。だけど、アレ、もう、壊れてっからさ。

Q:明日になったら気持ちが変わるってことは?。

須藤:いや無理だね。もう絶対無理無理。メルチョーん時にやってて、で、この野郎って思ったけど、今日やって、やっと分かったっていうか。あ、これもう絶対無理だなって。

Q:医者っていうか、ドクターから、足について何か言われたってことは?。

須藤:足って言うか、大谷の時に散々蹴られて、それっからだったんですよね。それまでは、なんともなかったんだけど。それから靱帯がね、足が浮いちゃうって言うか。

Q:越谷の大会ですよね。

須藤:そうそうそう。あんとき、頑張っちゃったよ。

Q:それが直りきらないでずっときてるっていうか・・?。

須藤:いや、直りきらないっていうか、どうなんだろうね。

Q:アレ、2月でしたよね。

須藤:こうやられるでしょ、で、ここが曲がっちゃうんだよね。浮いちゃうんだよね。で、ここ痛めちゃう。・・・ダメッスよ。もう、引退ッスよ。こんなもんでしょ。最後ってのは。うーん・・・。

Q:今後のことってのは何か計画立ててるんですか?。

須藤:イヤァ、いっぱい立ててたよぉ。いっぱい立ててたけど、こんなんなっちゃったらね。

Q:ベルト持ったッてことに関してはどうですか?今回。

須藤:あぁ、あのベルトは別に何ともなかったけど。・・・・あんときのベルトは、アレは、もうね、凄い誇りに思ってる。今回は別に、何とも思ってない。

Q:タイトルマッチとかそういう意識ってのは?。

須藤:全然なかったです。

Q:その、奪取されたってことに関しても、特に?。

須藤:それよりも、リングでさぁ、あそこまで、ね、ダメだって分かったから。逆に、悔しいとかじゃなくて、スッキリしたっつうか。もう、絶対無理だナァって。一瞬で変わったからね。スパッと。

Q:その一瞬ていうのは、蹴られて?。

須藤:うん、足がもう浮いちゃうからね。あ、これもう、ダメだなって。

Q:リングの上で何か、選手と何か喋ってましたが?。

須藤:うん、友達友達って(笑)。へへ。これから友達なろうねっつって。すいません、生意気なこと言ってって(笑)。闘いなんで。今度飲み行こうぜって(笑)。

Q:どうもありがとうございました。


収録:片岡 構成・写真:渡辺


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