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山本ノボル インタビュー
1998.11.21 後楽園ホール

Q:おめでとうございます。

山本:どうもありがとうございます。

 「壁が越えられた」

Q:どうですか、その、一年前に、そのベルトを取るチャンスがあって、で惜しくも逃してしまって。で、同じ相手と一年後に。まあ今度は奪取できた。

山本:例えば関、関さん、チャンピオンが試合するにしたって、3回やってて、1回1回はもう全然僕にとって意味が違うし。彼だって凄いスピードで強くなってるから、だから繋げて考えることは出来ないし。タイトルに挑戦って言う意味でも、1回1回、僕3回目なんですけど、やっと獲れて。やっと・・まあ壁が何か越えれたのかなあと、越えた証明が出来たのかなって気はするけど。言い換えたら一つ試合勝っただけてそんな変わるもんじゃないから、うちの砂田とか防衛、今日僕たまたま勝っちゃったから駄目だったけど関選手にしたって、防衛繰り返してる方が偉いと思うんですよ。だから、スタート地点に立ったってだけで、チャンピオンなんてそんな僕にしたら関係ないし。

Q:壁って言うのは、どう言う?。

山本:僕にしたら、タイトルマッチってなっただけで凄い緊張してたんですよ。1回目の時なんかカチンコチンに緊張して、2回目の時も何て言うか、ビビってビビってカチコチに緊張してて。だから、相手がどうこう以前に、その、1回1回の試合は一緒やって言うても、自分でやっぱりプレッシャーに感じて。それを、とにかくベルト獲るとかより、それをどうにか打ち破りたいって言うのがあって。うちの砂田なんか本当、あれ目立たん地味なチャンピオンとか言われとるんですけど、もう練習ばっかりして、もう試合前やって言うてもなんも関係なし、練習内容変わるだけで、メンタルな面では一緒で。僕はそう言う面、起伏が大きくて。だからその辺がチャンピオンなる人間と、そのチャンピオンのレベルが高いとか低いとかじゃなくて、集団の中で1番になる奴とそうでない奴の違いなのかなって言う。俺が本当になれるかどうかって言うのは、自分の中は、チャンピオンが羨ましいとか憧れは勿論あったけど、それ以上に挑戦してみてこんなに自分が何も出来ないで終わってるって言うのが何回もあったから、とにかく1回越えないと。

Q:ま、一年。こないだの夏に1回試合があってですね、そのあいだ開いてましたよね。で、まあ王座獲れなかった時と、その辺でそのさっきのちょっと壁の話と重なるかもしれないですけど、色々考えられた所とかその辺は。

山本:うーん、試合はしたかったんですよ。別に何か考えて試合しなかったとか、そ言うのは無くて。たまたま試合出れなかっただけで、言われればやった思いますよ。本当、・・・関西だからなんか知らないですけど、とにかく試合やらしてもらえないんです。

Q:今あれですか、あのう、ジムの人って言うのは、さっき一寸リング上でも仰ってましたが、どんな状況で?。

山本:あのう、うちは士道館で空手とキック一緒にやってまして。ジムが無くなっちゃったんで、空手の方は公共施設を借りまして、その小学校の体育館とかそう言う所でやってます。で、キックの方もそっちに一緒に練習行ったり、ただ設備は何にも無いし集まる時間もバラバラなっちゃうんで、そのシュートボクシングの他所のジムで練習さして頂くという形で、ま大阪ジムで御世話になってます。そこがキック、シカノジムのキックのメインの練習場です。で、月に何度かは空手の方と一緒に練習したりして。

Q:試合なんですけれども、あのう、今日は左からの攻撃が、パンチからの入って行き方がかなりその効果的にヒットしてたと思うんですけれども、それはもう作戦を練りに練ってと言うか。

山本:そうですね作戦・・、作戦って言えば作戦ですけど。

Q:研究って言うのはかなりされました?。

山本:うーん、関選手その物への研究って言うよりも、その、自分のやり方ってどんなのかをもう一度立ち返って。今日セコンドついてたでかい人いたでしょ、彼付き合い長いですけど、言われたんですよ。その辺が一番大きいですね。その、相手が誰だからこうしたじゃなくて、一寸さっきの話と重なるんですけど。

Q:その選手の名前教えていただけます?、大きいかたの。

山本:川田って言います。前にふっと言われて、例えばどないに練習したって力はそれなりにつくだろうけど。うちのもう引退しちゃったけど松尾選手とか米選手とか、ああ言う選手に憧れはあったんですよ。でも、「どんなに練習したって松尾にはなれねえぞ、米にはなれねえぞ、絶対無理や」って言われて。あの辺見てるとパワーとかパンチ力とかに憧れてそう言う練習一生懸命やるじゃないですか、で、パンチのある選手とバンバン打ち合ってスパーリングでも良いスパーリング出来なくて。たまたま勝ったり負けたりしたって、それは自分の持ち味じゃないじゃないですか。うちの砂田なんか首相撲無茶苦茶強くて、それに対抗して首相撲でスパーリング行ったって、僕自身の首相撲が強くなっても砂田には勝てないじゃないですか。だから、自分の、ね、松尾英治なら松尾英治の憧れみたいの追っかけるのは別に、自分の持ち味をもう一寸考えろって言われて。そしたらフッと楽になって、ああ言う戦い方が出来たんです。

Q:距離を取って戦うって言うのはその辺、かなりあれですよね、その首相撲の展開1回くらいしか無かったですから。その辺って言うのもやらせない様にって言うよりは、むしろ距離を取って自分の戦いをって言う。

山本:もう首相撲叩かれるの嫌なんで、ここは組むより離れた方がいけるかなと。

Q:効いた技ってありました?。

山本:うーん、ローキック沢山貰ったら効いてるんでしょうけど、蹴らせない貰わないが考えてたんで。

Q:じゃあ関選手の攻撃はあまり効いた物は無い?。

山本:いやあ、痛かったですよ。

Q:何かこれでって言う、その、ま、先ほどの話で距離を取ってて言うような話だったんですけども、これで倒そうとかって言うそう言う何か。

山本:そう言う作戦はないです、出たとこ勝負で。ただ自分の持ち味を活かそうって言うことだけは、ぶっつけ本番ですから。1回実戦で試してみて、それからチャンスが来たらええなあと思ってたらポンと試合が組まれたんで、「ぶっつけ本番やいてまえ」で。

Q:ベルト獲って何か、その、思う所あります?。

山本:嬉しいけど、うーん、一緒ですね気持。

Q:今後の何か、目標とかそう言うのは?。抱負と言うか。

「やっと自分のスタイルが判った気が」 

山本:うん、やっと自分のスタイル・・、こうやったらいいのかなって言うのがちょろっと判った気がしてるから、それ一生懸命磨きます。まあ時期によっては一生懸命パワーの練習やらなんやらしますけど、首相撲ばっかりやったりしますけど、自分の持ち味をしっかり認識して、それで後は自分が最高に強くなったとき何処まで強くなれるかなって言うのが、ずーっと追っかけて行きます。

Q:一年振りに当たってみて、関選手は強くなってましたか?。それとも、それ程でも無かったですか?。

山本:うん、あんまり、印象は変わらないですね。ただ、手足長いし、やりにくいなって言う。前とあんまり変わんないです、印象は。ただ、ずーっと彼は良い試合してたんで、勝手に僕は「うわあ」って思って、たんですけど。

Q:あの一寸さっき砂田選手に伺ったんですけども、あのう、試合のそのラウンド毎に必ず右の拳をつけてたと、マットに。それは何かげんを担いでたんでしょうか?。

山本:あ、げんって言うか、緊張してると何処でもやるんですよ、癖なって。むかーしその豊中ジムって所でスパーリングをやってもらった事があるんですけども、スパーリングのとき鼻血とか落とすじゃないですか、そしたら拭いたって黒い所が残って、「汚あ、気持ち悪い」って思ってて。で無いところにスパーリングの前にぺって触って、「俺はこれで触ってないことにしよう」みたいな(笑)。で、緊張すると何となく地面触って、仕事でも。

Q:やってみたい選手っていますか?、他団体で。

山本:どうでしょうね、今は思い付かないです。


収録・写真・構成:渡辺


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