数試合前のセレモニーで、今まで保持してきたMAライト級のベルトを返還し、新たに創設されたJrウェルター級の暫定王者に認定された佐藤選手。常に前へ前へと出て気迫をぶつける魂のファイトは、すなわち「士魂」の体現といえる。 しかし、その前進を阻むヒザとミドル。シティサック選手のテンカオ、ミドルキックは、佐藤選手の士魂を挫くか。これまで、SBの吉鷹選手を初めとする数々の中量級の猛者を苦しめ続けた強烈な武器は、佐藤選手にとって、大きな壁となろう。 階級アップの緒戦から、余りに強力な敵を迎える佐藤選手。シティサック選手相手にも士魂を見せつけることができるか楽しみである。
やはりシティサック選手の壁は厚く、なかなか得意のパンチラッシュに持ち込めなかった佐藤選手。クラスアップ第1戦目は、苦いドローに終わってしまった。佐藤選手を評価するとすれば、絶妙な距離感を持つシティサック選手の巧妙にして破壊力十分なテンカオにためらうことなく前進を続けた点だろうか。 しかし、首相撲では全くいいところなくヒザをもらい続け、時折飛んでくるハイキックや高いヒザ蹴りにあわやという場面も少なくなかった。王者としては、いささか安定感に掛けた試合となったことは否めない。結果としてポイント差は少なかったが、首相撲の評価によっては、よもやの大敗ということにもなっただろう。 ここ数戦、不本意な闘いの続いている佐藤選手だが、階級転向を機に、また今日の対戦を糧にさらなるバージョンアップを図ってくることだろう。 なお、この試合前にジョー山中氏の歌の披露があった。歌はいい歌であるし、山中氏の歌唱力は素晴らしい。しかし、既に選手がリングに上がって臨戦態勢に入ったあとに延々フルコーラス歌っては、その間待たされる選手の体は冷えるし(会場はエアコンがかなり効いていた)、士気にも影響を及ぼしかねないのではないか。選手も了承していたのだろうが、了承を求める以前に、このような進行の是非を考え直すべきではなかったか。入場テーマも両者の曲をかけ違えるなど、不手際もあった。もう少し、選手を大事にした運営をして欲しいと思う。 文 片岡
なお、この試合前にジョー山中氏の歌の披露があった。歌はいい歌であるし、山中氏の歌唱力は素晴らしい。しかし、既に選手がリングに上がって臨戦態勢に入ったあとに延々フルコーラス歌っては、その間待たされる選手の体は冷えるし(会場はエアコンがかなり効いていた)、士気にも影響を及ぼしかねないのではないか。選手も了承していたのだろうが、了承を求める以前に、このような進行の是非を考え直すべきではなかったか。入場テーマも両者の曲をかけ違えるなど、不手際もあった。もう少し、選手を大事にした運営をして欲しいと思う。 文 片岡