新妻選手が、豪華なカードが組まれた本興行のラストを飾る。 昨年の同時季にサーイマイ選手に敗れた際に靱帯を痛め、その後10ヶ月にわたる休養を余儀なくされた。そして8月末に大分で行われた復帰戦もチュンチャイ・ゲォサムリット選手を相手に判定で落としてしまった。自ら「復活度10%」と言うその出来は、休養開けの動きとしては十分評価できるものではあったものの、やはり休養前の動きを完全に体現するものではなかった。 このところ、自ら望んで強敵とばかり闘ってきた新妻選手だけに、蓄積されたダメージも相当なものだっただろう。靱帯損傷は、選手にとっては非常に深刻な怪我ではあるが、結果的にこの休養が新妻選手にとって良いリフレッシュになっていれば、今後の新妻選手の活躍に大いに期待できるといえる。 対するベン・バートン選手については多くを知り得ないが、今日の試合で、新妻選手の復調ぶりをうかがうことは出来るだろうか。「倒そうとする意思」に、新妻選手の体がどこまで応じることが出来るかを見届けたいと思う。
昨年の同時季にサーイマイ選手に敗れた際に靱帯を痛め、その後10ヶ月にわたる休養を余儀なくされた。そして8月末に大分で行われた復帰戦もチュンチャイ・ゲォサムリット選手を相手に判定で落としてしまった。自ら「復活度10%」と言うその出来は、休養開けの動きとしては十分評価できるものではあったものの、やはり休養前の動きを完全に体現するものではなかった。 このところ、自ら望んで強敵とばかり闘ってきた新妻選手だけに、蓄積されたダメージも相当なものだっただろう。靱帯損傷は、選手にとっては非常に深刻な怪我ではあるが、結果的にこの休養が新妻選手にとって良いリフレッシュになっていれば、今後の新妻選手の活躍に大いに期待できるといえる。
対するベン・バートン選手については多くを知り得ないが、今日の試合で、新妻選手の復調ぶりをうかがうことは出来るだろうか。「倒そうとする意思」に、新妻選手の体がどこまで応じることが出来るかを見届けたいと思う。
結果は新妻選手判定勝利。されど、内容はドローに近く、まだまだ新妻選手には完全復活への余白が残されているような気がした。 とはいえ、体より先に魂が進んで行くかのような、前へ前へという姿勢は、やはり「新妻選手らしい」試合を印象づけていたし、悲観するような試合ではなかったと思う。 バートン選手がムエタイスタイルで組み立ててきたので、パンチの打ち合いを避け、新妻選手が飛び込もうとしてもヒザを出されたりして、思いの外やりにくい点もあったと思う。しかし、正直なところ、パンチに秀でるわけでもなく、かといって現役ムエタイランカーほどのヒザやヒジの切れがあるわけでもない選手を相手に、間合いを詰めたあとに攻めきれなかった点は、まだ新妻選手に調整の余地あり、という感想を抱いた。が、逆に欠けているのはそれくらいで、新妻選手の「在り方」のようなものは、すでに戻っているとも思う。 おそらくは、今後も強敵とだけ対戦を望むであろう新妻選手には、今日のような試合で足踏みすることなく、完全復活、さらには、休養前以上の力強さで、荒ぶる魂に引っ張られるようなファイトを期待したいと思う。そして、多分それは、近い将来に見られるのではないか。 文 片岡