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 [第8試合 日・豪国際戦 ミドル級5回戦」
小笠原仁 vs ダニー・ダードウスキー
ドル級王者の小笠原選手は、試合数こそ7戦と少ないが、その試合ぶりは、堂々としていて力強い。少しずつ、王者としての風格も身に付けているようだ。
 いかにも重量感あるパンチを主体に前へと突き進むスタイルは、7勝のうち6KOを上げている。当然、この試合も前に出て、相手を倒すことを狙うだろう。
 対戦相手については、よく分からないが、キックの実力者の揃うオーストラリアの選手だけに、油断は禁物。ここは、きっちり勝って、次のタイトル防衛戦へと繋げたいところだろう。



ラウンド1 ップライトに構えるダードウスキー選手は、ムエタイスタイルのようだ。小笠原選手のローに、ダードウスキー選手もローを返す。小笠原選手が、ジャブで押し込んでコーナーに詰めボディフックを放つが、ダードウスキー選手は前蹴りで突き放す。ローとジャブで攻める小笠原選手に、ダードウスキー選手はテンカオ。さらに、踏み込んでロー。かまわず前に出る小笠原選手に、右ミドル、テンカオを合わせるダードウスキー選手。小笠原選手がワンツーからパンチの連打を狙うが、ガードされ逃げられる。ダードウスキー選手は、ミドルを軸に組み立てるが、小笠原選手のパンチに押し返される。再びコーナーに詰まってワンツーの連打を浴びるが、ガードを固めて耐える。そして、逆にワンツーからヒザ、ミドルを返し、気合い負けしていない。


パンチで攻め込む小笠原、ここは
ダードウスキーが凌いだ    

ラウンド2 笠原選手が左ジャブでリードしてコーナーに追い込み、ワンツー。ダードウスキー選手は首を掴んで体を巧く入れ替える。なおもパンチで前に出る小笠原選手にテンカオを合わせ、体を振りながら逃げてミドルを蹴る。そして、両者が再び近づいたときに、小笠原選手の右のパンチがダードウスキー選手の顎をとらえて、ダードウスキー選手はガクッと倒れた。そして、レフェリーは続行不可能と判断、試合を止める。


小笠原のパンチに膝を合せるダー
ドウスキー          


最後は右のパンチで一撃KO


いパンチの小笠原選手と、ヒザとミドルのダードウスキー選手の試合は、思ったより噛み合って、これから面白くなりそうだと思っていた刹那、試合が決まってしまった。
 ダードウスキー選手は、やや単調にパンチを狙う小笠原選手に対し、巧くテンカオを合わせると良いミドルも放ち、試合のペースを掴みかけていただけに、悔しかっただろう。

 一方、小笠原選手だが、ストレート系のパンチだけでは速い回転は望めず、ガッチリとガードされ、ポジションの入れ替えに長けた選手が相手になると、やや苦しい感じがした。パンチが重いのは相変わらずだが、プラスαの部分が欲しいところではないだろうか。
 何にせよ、きっちり勝ったことは評価すべきだろう。次の防衛戦に向けて、ますます勢いがついたのではないかと思う。王者としての名声を高めるべく、防衛戦でも、力強いところを発揮して欲しい。

文 片岡


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