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 [第10試合 62kg契約5回戦]
大柴ひろし vs 鷹山真吾
政館の大柴選手は、フェザー級のベテランの域に達している選手。冷静な表情で淡々とパンチからローへとつなぐコンビネーションを繰り出す姿が印象的だ。久しく試合にでていなかったが、今回、治政館の地元での興行ということで復活を期す。

 鷹山選手は、このところ積極的に試合にでている、ライト級の新鋭。年頭の抱負として「今年中にタイトルを獲る」と宣言していたが、その道のりを確かに歩んでいるように思われる。やや荒削りながら、ガンガン前に出て手を出し続けるバイタリティ溢れる選手といえる。

 久しぶりの試合となる大柴選手が、はたして鷹山選手の前進を止められるか。はたまた鷹山選手が、大柴選手を押し切るかが焦点となるだろう。



ラウンド1 山選手が前蹴りから、ハイキックを狙う。大柴選手は、落ち着いて右ロー。鷹山選手は前蹴りから突っ込んでワンツー。そこから首を取ってヒザを出す。大柴選手は、受けに回りながら単発でローとパンチを返すが、鷹山選手がローから大きなフォームでストレートを放ち、さらにミドル。大柴選手もローを出すが、逆に、鷹山選手のローでコーナーに追い詰められ、パンチを浴びる。

ラウンド2 者、ショートレンジで細かくパンチとローを撃ち合う。鷹山選手は、積極的に前に出て型にこだわらずパンチ、ミドル、ローを打ち込む。大柴選手は、下がりながらパンチとローで隙を狙うが、鷹山選手はひるまずに前に出続ける。

ラウンド3 山選手が大柴選手の軸足にロー。そこからワンツー、ヒザ蹴り、前蹴りと続けて前に出る。首相撲では、ヒザをボディに打ち込み、下がる大柴選手をワンツーを放ちながら追いかける。大柴選手もワンツーからロー、ロングフックからローと、手を出すものの、やや押し負ける。

 
ラウンド4 に出てくる鷹山選手を体で押し返してローを入れる大柴選手。バックブローも出し、前進を止めようとする。鷹山選手は、大きく右フック、ストレートでプレッシャーをかけ、右ハイキック、ミドルと攻撃を休めない。大柴選手も右ローを鷹山選手の左足に集めると、鷹山選手がやや嫌がる様子。両者激しく撃ち合って終了。

 
ラウンド5 柴選手がローで攻め込むが、鷹山選手もロングフック、ストレートで強引に打ち返す。両者ともにスタミナ的に苦しい様子。ガードが下がった状態でローを打ち合い、鷹山選手がボディフック、顔面へのストレートと上下に攻撃を散らすが、正確性に欠ける。大柴選手のローも見られたが、やや手数が少ない。

 

山選手が判定2−0で大柴選手を制した。
 全体的に、前に出て積極的に攻め続けた点は鷹山選手の本領発揮というところだが、やや荒っぽい攻撃が多く、精度を欠いた印象は否めない。確かに、大柴選手は巧い選手だが、開始当初はまだ試合勘が戻っていなかったのか後手に回る場面も多かっただけに、そこを畳み込めれば、もっと勢いに乗れたのではないだろうか。

 一方の大柴選手は、中盤に右ローを中心に巧く攻めていたが、終盤は、少し疲れていたようだ。今回は久しぶりの試合のせいか、62キロ契約とライトの上限すら超えた体重だったが、今後少しずつ体調を整え、再びフェザーでやるならば、その時に完全復活を期待したい。
 やや大味な試合となったが、大柴選手の復活への試運転としてはまずまず。逆に、鷹山選手としては、きちっと勝っておきたかったのではないだろうか。

文 片岡


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