北星ジムのファイトスタイルを具現化するような、力強くハードヒットを狙う石田選手。一方、小手先のテクニックに走らず、体ごと前進する田村選手も渡辺ジムのスタイルを具現化する選手といえるだろう。 この試合から、石田選手はバンタム級に階級を移すようだが、同級は同じジムの王者、楠本選手が階級アップを宣言しており、タイトル奪取に向けてこの交流戦を踏み台としたいところ。ワンツーとローという基本的なコンビネーションながら、フルスイングして下がることを知らない石田選手の闘いぶりは要注目。 田村選手については、日本キック連盟バンタム級王者となった村上選手のトレーナーが最も恐れる選手に名前を挙げていたことが思い出される。底知れないスタミナとパワーで相手をねじ伏せ、そこにヒザを叩き込むという、強引なスタイルは、対戦相手にしてみればじつに闘いづらいにちがいない。やや正確性に欠ける攻撃だが、休むことなく5ラウンド通じて攻め続ける姿勢はバンタム級屈指といえる。 どちらも退くことを良しとしないスタイルだけに、激しい一戦になることは間違いない。観客席もきっと大いに沸くことだろう。
なんとも、荒っぽい試合にはなったが、両者の気迫がこもった試合でもあった。 田村選手の、精度は欠けるが常に前に出る姿勢と、途中垣間見せた執拗なヒザ攻撃の力強さが5ラウンド通じて印象に残る試合といえる。それは、小野瀬選手のスタイルにも通じる攻撃性で、日本キック連盟のバンタム級トップコンテンダーの実力をNJKFのファンの前で見せつけたといえる。 全体的に、田村選手の圧力が試合を支配したといえるが、今一つ、決定打に欠けた印象は否めない。もう少し、正確なパンチやキックの技術が身に付けば、かなり化けそうな予感がする好選手だった。 一方、石田選手は田村選手に力負けした感が強い。痛い敗戦となってしまったが、田村選手はあまりNJKFにはいないタイプの選手だけに、いい経験となったのではないだろうか。今後、階級を下げてやっていくとなると、体重とともにスタミナや気迫まで落ちてしまうことが往々にしてあるが、石田選手にもそういうことがあったのかも知れない。今日の敗戦を糧に、バンタム級という新たな戦場での復活を期待したい。 文 片岡
一方、石田選手は田村選手に力負けした感が強い。痛い敗戦となってしまったが、田村選手はあまりNJKFにはいないタイプの選手だけに、いい経験となったのではないだろうか。今後、階級を下げてやっていくとなると、体重とともにスタミナや気迫まで落ちてしまうことが往々にしてあるが、石田選手にもそういうことがあったのかも知れない。今日の敗戦を糧に、バンタム級という新たな戦場での復活を期待したい。 文 片岡