復活祭の競合 この試合は、ウェルター級王者青葉選手への次期挑戦者決定戦に位置づけられている。選手である以上、王者を目指すことは当然。両者ともに、この試合をステップにして頂点へと登り詰めたいところだろう。 しかし、この試合にはそれとは別に、内田、木浪両選手にとって、自らの復活を期すために、落とせない試合でもある。 内田選手は、NJKF旗揚げ興行において、メインをつとめ、オランダのカスタム・ダグ選手を完封している。すなわち、内田選手は、NJKFが団体のエースとして期待していた選手である。そして、見事その期待に応え、ハードパンチャーのダグ選手を相手に、堂々と自分の距離、ペースで戦い抜き、判定勝利を収めている。 しかし、相手は木浪選手。内田選手が休んでいる間に台頭した、ウェルター級期待のホープである。3回戦当時、その爆発的な攻撃力を武器に順調に階段を駆け上がり、一気に5回戦へと駒を進めた。 だが、その木浪選手も、ここ2試合、厚く、高い壁にぶち当たっている。ジャルワット・オーエンジャイ選手に2連敗。最初の対戦では、全く持ち味を出せないまま、ジャルワット選手に翻弄され、満を持して臨んだ雪辱戦も、初回に勢いよく飛び出たものの、あっという間にカットされ、レフェリーストップ。 コンテンダーの少ないウェルター級にあって、木浪選手に掛かる期待は大きく、また、彼にはそれに応えるだけの資質がある。そして、何より、彼自身もそのことは分かっているだろう。 両者ともに、かつての勢いを取り戻すために、この試合を、相手を踏み台にしたい所だ。
しかし、相手は木浪選手。内田選手が休んでいる間に台頭した、ウェルター級期待のホープである。3回戦当時、その爆発的な攻撃力を武器に順調に階段を駆け上がり、一気に5回戦へと駒を進めた。 だが、その木浪選手も、ここ2試合、厚く、高い壁にぶち当たっている。ジャルワット・オーエンジャイ選手に2連敗。最初の対戦では、全く持ち味を出せないまま、ジャルワット選手に翻弄され、満を持して臨んだ雪辱戦も、初回に勢いよく飛び出たものの、あっという間にカットされ、レフェリーストップ。 コンテンダーの少ないウェルター級にあって、木浪選手に掛かる期待は大きく、また、彼にはそれに応えるだけの資質がある。そして、何より、彼自身もそのことは分かっているだろう。 両者ともに、かつての勢いを取り戻すために、この試合を、相手を踏み台にしたい所だ。
祝福は、内田選手に。 内田選手の巧さが光った試合だった。 1年7ヶ月のブランクも、今回の試合を見る限り心配する必要はなかったようだ。序盤こそ、やや堅くなったのかも知れないが、相変わらず自分の距離を巧く作って、下がりつつも相手の出鼻を挫くその巧妙さ。そして、機を見て、一気に畳み込むしたたかさ。5Rのスタミナも、少なくとも自分のペースで闘う限り問題なさそうだ。 一方の木浪選手は、やはり重いパンチで組み立てたかったことだろう。しかし、そのパンチに入る前に、攻撃の芽を摘み取られてしまった。ジャルワット戦でも木浪選手は得意のパンチを封じられ、相手のペースに付き合ってしまった。今回も、内田選手のペースに引きずられ、そこから打開することができなかった。 木浪選手が輝きを取り戻すには、「もう一つの何か」が必要なのだろう。月並みな言い方だが、次に期待したよう。 何はともあれ、内田選手が、復活への序章は飾った。次は、完全復活をかけてのタイトルマッチとなるだろう。 文 片岡
何はともあれ、内田選手が、復活への序章は飾った。次は、完全復活をかけてのタイトルマッチとなるだろう。 文 片岡