大宮司は正道会館仕込みの理論的なコンビネーションと軽いフットワークを主体とする選手である。その素早い動きと的確な攻撃には定評がある。一方の高野の新空手で修行し、キックデビューし、
4戦4勝の負けなしの神武館期待のルーキーである。
1R 高野の前に前進し、ローキックを狙う、これを遮るかのごとく大宮司、素早い動きで左のジャブを顔面に狙う。しかしガードの固い両者、次の決定打がお互いでない。ジャブからミドルとコンビネーションで攻める大宮司を高野は右の前蹴りやローで止める。
2R セコンドの指示によりコンビネーションで攻める高野、大宮司も答えるがのごとくに互いに1歩も引かず打ち合う。互いにリズムが合うのか、想像以上の好勝負となる。高野の掠った様なストレートが大宮司を捉えた。レフェリーは少しスリップぎみではあったが、大宮司ダウンを取る。しかし効いてはいない様だ。高野は1、2ボデイからローキックと対角線のコンビネーションで攻めるが地力のある大宮司は左ストレート、右フックで返す。一打の威力は大宮司が上である。1歩も引かない乱打戦に場内は沸きあがる。
3R ダウンの巻き返しをはかる大宮司は前に出る、高野も引かずパンチの打ち合いとなる。タイミング良く高野のストレートが大宮司に決まる。二度目のダウンとなるが、カウント7で立ち上げった大宮司は力強いフックを返す。前に出た高野にクリーンヒット、攻める大宮司、1、2
の連打、高野がダウンする。ここで試合の流れは大宮司に、動きが止まりかけた高野を首相撲で攻める。負けられない高野が気力を絞り反撃しかけたところでゴング。
4R 疲れの見え始めた高野をタイでの試合経験もある大宮司は得意の首相撲からのヒザで捉える。勢いにのる大宮司はもつれる様にヒザを繰り出し、ダウンをとる。しかし高野も負けずに前にでる。もつれ合いの首相撲となるが、今度は大宮司にも疲れが見え始めた。互いに疲れてはいるが、勝負を捨ててはいない。
5R いよいよラストラウンドである。 大宮司は高野を捕まえヒザに、しかし負けじと高野も前にでる。高野の連打のストレートが何度か、顔面を捉える、しかし大宮司も負けずに、重いフックとストレートで返す。手数で高野、威力で大宮司という展開が続く、互いに渾身の力を込めて打ち合う。試合は判定に、持ちこまれ、ドローとなる。両者とも全国的な知名度こそ無いが、新たな時代をつくるに相応しい好勝負であった。
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