メインイベント(UFCヘビー級王座決定戦) | ||||||||||||||
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どうしたランデルマン?!インパクトなきガス欠勝利
ハンマーハウス所属、マーク・コールマンの弟子。その肩書き通り、ランデルマンは、典型的なアマレス系のバーリ・トゥード・ファイターだ。タックルでこかしてタコ殴る。その勢いでブラガを叩きのめし、バス・ルッテンとの先のUFCヘビー級チャンピオン戦では「疑惑の判定負け」を喫してもいる。
対するピート・ウィリアムスは日本人にはお馴染みの選手。UFCの戦績では、高阪には判定負けをくらってはいるものの、その後連勝と実績を伸ばして来ている。試合はレスラー対サブミッション・ファイターの典型的なパターンで進んでいった。
ランデルマンは、ともかくダッシュ力が凄い。アッと言う間に間合いをつめてタックルに入る。そのまま簡単に倒されるほどウィリアムスも甘くはないが、抵抗しても、最後にはテイクダウンされる。そこからは、インサイド・ガードからタコ殴りにいきたいランデルマンと、足を使ってスタンドに戻していきたいウィリアムスの競り合いとなる。
ウィリアムスの首を締め上げて抵抗力を弱めようとするランデルマン。だが、ウィリアムスもその攻めによく耐え、なかなか隙を見せないため、パンチの乱打という展開にはならない。1R終了間際には、下から脱出しスタンドに戻るとすかさずパンチを決め、ぐらっと来たランデルマンの胸の上に座り込むように押さえつけ、逆にグラウンド・パンチの雨あられ。
ストップをかけられても全くおかしくない状況だったが、ゴングに救われる。インターバルになってもなかなか立ち上がれないランデルマン。「胸が物凄く痛かった」ため動けなかったという。ウィリアムス、俄然優勢である。しかしウィリアムスの優勢は長くは続かなかった。
スタンドではすぐに間合いを詰めてテイクダウンしてしまうランデルマン。2Rでは、明らかにその体勢でコンディションを整えている。そして、動けるようになったところで、上体を起こしては数発パンチを落とし、あるいはウィリアムスの首を畳み、袈裟に固めてスタミナを奪っていく。
だが、逆にいえば、ランデルマンの攻勢もその程度。パスガードの技術がなく、ウィリアムスが相当のダメージを受けてガード・ポジションを保てなくならない限り、パンチを連打してフィニッシュに繋げていくことはできない。最終ラウンドになって、ようやく、グラウンドでバックを取り、パーテレ・ポジションになったウィリアムスの足と胴をコントロールしてサイドを奪おうというアマレスラーらしいパスを試みたが、結局、ガードに持ち込まれてしまった。フルラウンド闘っての判定はランデルマン。
グラウンドで上を取ることが重視されるUFCの判定基準から考えれば妥当なジャッジではあるが、それにしても完勝とは言い難い内容だった。前の試合で高阪をKOで下したペドロ・ヒーゾの勢いを考えると、チャンピオンの座は安泰とは程遠い。
レスリングの技術が、バーリ・トゥードにおいて、コアとなることは確かだ。しかし、だからと言って、それだけで勝てる時代はとうに過ぎ去っている。タックルに打撃を合わせる技術、腰を残して倒されないように打つ技術、トップ・ポジションを取られても相手にグラウンド・パンチを打たせない技術等等。
こうした技術進化を飲み込んでいかなければ勝ち続けることは難しいだろう。
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<大会総評> 乱反射するU幻想〜饗宴の光と影 井田英登
レポート:山名尚志 カメラ:井田英登 |
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