2000年という区切りの年に、華々しくスタートしたK-1 World GPシリーズは、ここまでJAPAN GPを含めて7つの地区での第一次世界予選を繰り広げて来た。

 2/27 オセアニア地区予選(オーストラリア/メルボルン)  
    優勝:マーク・ハント
 4/16 UK地区予選(イギリス/バーミンガム)
    優勝:マット・スケルトン
 5/12 ヨーロッパ&ロシアA地区予選(イタリア/ボローニャ)
    優勝:パリス・バシリコス
 5/20 ヨーロッパ&ロシアB地区予選(ドイツ/ドゥイスブルグ)
    優勝:フランク・オットー
 6/24 ヨーロッパ&ロシアD地区予選(ベラルーシ/ミンスク)
    優勝:アレクセイ・イグナショフ
 7/7 アジア地区予選(日本/宮城県)
    優勝:武蔵
 8/5 北中南米地区予選(アメリカ/ラスベガス)
    優勝:アンドレ・ドトゥコ

 いわば今回の世界地区予選は“未知の強豪”発掘のスカウトキャラバンを目指したものであったともいえる。7大会中、5名が全くこれまでのK-1シーンに登場してこなかった新顔であり、彼らが撃破した選手の中には既にK-1に既に登場済みのロニー・セフォーやシニサ・アンドリヤセビッチの名前も見える。既に実力計測済みの彼らを上回る強さを持った新鋭が本選に登場してくるとなれば、それなりに期待も膨らむ。

 K-1勃興から7年。すでに世界のヘビー級キックの人材は概ね掘り尽した感のあったK-1シーンに、各地区予選優勝者である彼らが新しい風を吹き込むか今回のWorld GP最大のが焦点であると言っても良かった。しかし、結果から言えば、残念ながらその答えは否であった。マーク・ハント、パリス・バシリコス、フランク・オットー、アレクセイ・イグナショフらが次々日本デビューを飾ったが、その戦績は全て1回戦負けだったからだ。彼らの実力をそれだけで量るのは早計だが、ここに一つの疑問は残る。

 それは既成のK-1ファイターが強すぎるのか、それとも彼らの日本での闘いが本領発揮できなかっただけなのか、という問題である。

 今回、BoutReview編集部では、これらの世界予選をビデオで検証し、この問題の答えを探るとともに、「K-1大航海時代」という切り口からWorld GPの意義を探ってみた。


<座談会参加者>

高田敏洋
本誌K-1担当ライター。かつて大阪天満の正道会館本部道場で、石井館長の直接指導を受けた世代の正道門下生。その技術論に関するこだわりで異色のK-1論を量産する論客。
新小田哲
本誌キックボクシング担当ライター。極真会館で空手を習った経歴を持つ。キック・空手界の知識、情報量なら本誌スタッフで右に出る者はいない。
井田英登
本誌編集長兼K-1カメラ担当兼編集部専任コック長。K-1取材では主に石井館長の会見後のお茶会でご意見を伺う係(笑)。XX締め切り直前の原稿大量執筆ドランカー状態で、普段は譫妄状態の日々を送る。
チョコチップ井原
本誌編集部。お茶汲み、HTML編集、ショップ運営、データベース制作、テープ起し・・・etc。八面六臂の活躍を続け、なぜかキングダム取材をライフワークとしているソップ型の大食漢。

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TABLE OF CONTENTS
オセアニア予選
<飯食って寝てるだけで強くなる南海の魔神マーク・ハント>
UK予選
<失業は没落大英帝国の象徴?マット・スケルトン>
イタリア予選(ヨーロッパ&ロシアA地区)
<喋ってカウンターの打てる“南欧のフグ”パリス・バシリコス>
ドイツ予選(ヨーロッパ&ロシアB地区)
<毎年一回戦負けの高校球児? フランク・オットー> 
■総論1:K-1はアニメ、ゲームに続く日本の輸出文化だ!
■総論2:日本でGP決勝が見れるのも今のうちかもしれない



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