KNOCK OUT 6.23 代々木第二体育館:RIZINから凱旋出場、鈴木千裕「パトリシオを倒した時、五味さんから『俺を引退させてみろ』ってLINEが来た」「KNOCK OUTが他団体と差別化するにはKOの多さしかない」
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KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT “BLAZE”(6月23日(日)代々木競技場第二体育館)の「KNOCK OUT特別ルール -73.0kg契約/3分3R・延長1R」で五味隆典と対戦する鈴木千裕。去る4月29日にはRIZINで金原正徳を1RKOに下して王座を防衛したばかりの鈴木は、師と慕う五味との戦いをどう捉えているのか? そこで見せようとしているものとは?(記事提供:KNOCK OUT)
―― RIZINでの防衛戦も激勝で終えて、五味戦に集中できる状況になったのでは?
鈴木 そうですね……ただ、勝って防衛した時に満足が全然なかったんですよ。「終わった~!」とかじゃなくて、「よし、次だ!」みたいな感じだったので、僕の中ではまだ、この戦いは終わってないですね。2試合セットという感覚なので、やっとその中の最終章かな、というか。
―― ただ、RIZINで対戦した金原正徳選手も強敵でした。そこに勝った達成感はあったのでは?
鈴木 強かったのは確かですけど、絶対勝てると思ってたので。練習している時も「俺、絶対勝てる」と思ってましたから。だから勝った時も「ああ、よかった。俺は間違ってなかった」という感じですよね。
―― では、その勝利の喜びに浸る時間はあまりなかった?
鈴木 なかったですね。2日間ぐらいで、あとは能登半島の被災地に行くために、持っていくお菓子とかの下準備をしていたので。能登から帰ってきて練習に復帰して、記者会見があって、今という感じです。
―― 能登では5月5日にイベントにも参加されていましたね。
鈴木 以前に行った時と比べると、ちょっとだけ復興されていました。でもまだまだ全然、トイレの水も流せない状況ですし、一番被害がひどかったところはまだ家とかも崩れたままで全然撤去もされていなかったので、まだまだ時間がかかるんだなあと思いました。ただ、みんなが少しずつ生活に慣れてきたところがあって、「ここに行けば水がもらえる」「ここに仮設のお風呂がある」「ここでごはんが提供される」という感じだったので、物資の送り先もだんだん絞れてきたのかなと。
―― その中での自分の役割も改めて感じた?
鈴木 はい。僕の役割はたぶん、みんなを笑顔にさせることなんですよ。みんなつらいこともありますよ。家が流されたり、大切な人が亡くなったり。でも、僕が行った時だけは笑顔にして、励みになるようなことが作れるなら、全力でやりたいですよね。
―― なるほど。その活動もこなして、まさに今は試合に集中という時期かと思いますが、改めて試合に対してはどういう意気込みでいますか?
鈴木 「師を越えるためにKOする」に尽きますね。あとはKNOCK OUTの舞台をさらに上に上げるためにも、KOしないと。KNOCK OUTという大会名をうたってるのに、判定なんかしちゃダメですからね。なので、常に倒す姿勢を見せて勝ちます。
―― 今回の五味戦が最初に発表された時、ファンからは疑問の声も出ていました。「なんでこのカードなの?」とか「なぜ今、このルールなの?」とか。それに対して、思うところはありましたか?
鈴木 ないです! 僕がやりたいだけなんで。よくアニメとかでもあるじゃないですか。師匠と戦って、バチーン!と師匠を倒して、「もうお前に託したぞ」って言われるみたいな。そういうのって、第三者から見たら何も分からないかもしれないですよね。2人の間の事情とか、戦いたいっていう意志とか。それはなかなか伝わらないかもしれないし、5月9日の会見には五味さんも来なかったから余計なんですけど、この試合は五味さんもやりたいし、僕もやりたいんですよ。それこそ去年、パトリシオ・ピットブルを倒した時に五味さんから「大晦日、俺を越えてみろよ。俺を引退させてみろ」っていうLINEが来たんですよ。
―― おお!
鈴木 その時に僕の気持ちは、「あ、俺の使命は師匠を越えて、五味さんを引退させることなんだな」という自覚に変わったんですよ。その後の大晦日に試合をしたかったんですけど、お互いに間に合わなくて、今回KNOCK OUTで実現したという感じなんです。だからもともとは五味さんがふっかけてきて、僕がそれに乗ったということなんです。
―― なるほど。「五味選手はこの一戦をよく受けたな」と思っていたんですが、受けるどころか、自分からの希望だったんですね。
鈴木 そうですね。お互いにけっこうテキトーなところがあるので、「言ったっけ?」「言ったよな?」みたいな感じではあるんですけど、僕らにとってはそこは特に重要じゃないんですよ。僕らにとって重要なのは、ベストな状態でリングに上がって、試合で盛り上げることなので。だからきっと、試合が終わる頃には「見てよかった」って声で溢れてると思いますよ。
―― 確かにそれは想像つきますね。そして五味選手が会見に来なかったのは、「山ごもりして体重を落とす」という理由でしたが、それは「ベストな自分を作る」という意気込みの表れかもしれないですよね。
鈴木 はい。僕もベストな状態を作って戦わないと失礼なので、選手に平等に設けられたはずの会見に不参加というのはちょっと納得いかないところはありますけど、そこはグッとこらえて。僕は連戦でやっていて、体は常にできているので、五味さんのことを考えると、ここは我慢するしかないんだなと思ってます。
―― ところで今回の試合は『KNOCK OUT特別ルール』、平たく言えば、いわゆるボクシングルールです。五味選手はやはりMMAファイターなので、何戦かやっているボクシングルールの試合についてはあまり語られていないところがあると思います。そこでの五味選手の戦いについては、どういう印象がありますか?
鈴木 やっぱり、一発で試合を変えられる強さは脅威ですよね。そこは今も昔も変わらないので。でも、僕は五味さんにもいろいろ教えてもらっているので、その五味さんのパンチをどうかいくぐるかを考えてます。
―― 試合のイメージ、勝つイメージはもうできているんですか?
鈴木 ちょっとずつですね。まずはやりたい技を自分に落とし込んで、イメージを作っていく作業です。まだ時間はあるので。
―― 鈴木選手は「やることは同じ」と言ってますよね。MMAとも違いますし、キックボクシングとも違うわけですが、本当に同じなんでしょうか?
鈴木 ほぼほぼ同じなんですよ。似てるところはたくさんあるんで。でも、まさか三刀流になるとは思わなかったです(笑)。ボクシングではデビュー戦ですからね。まあでも、共通しているところはたくさんあるので。サッカーとフットサルでも共通してるところはたくさんあって、その中で臨機応変に細かいルールに対応できるかがカギだと思うので。持ち味を殺さずに、いかにルールに適応するかですよね。そこは初めてじゃないので、もう分かってます。
―― もともと、いつもの練習では、ボクシングのスパーはやってるんですか?
鈴木 試合前のスパーは、蹴りありかボクシングでやってますね。最初にMMAに出ていた時はやってなかったんですけど、キックボクシングに出るようになってからはやってます。
―― キックとボクシングでも、距離感は変わりますよね。そこは?
鈴木 そういうもんだと思って練習してます。「今はキックの練習」「今はボクシングの練習」という感じで。それを試合にどう落とし込むかを考えるだけなので。
―― では、ボクシングの距離感にも慣れてはいるわけですね。その上で、スパーと試合での違いはどうですか?
鈴木 違ったら修正していくだけなので。だから、そこまで恐れてはいないです。
―― この試合は間違いなくメインだと思いますが、昨年3月に続いて、2年連続でKNOCK OUT代々木第二大会のメインを張ることになります。そこは?
鈴木 胸張ってやりますよ。僕はKNOCK OUTを背負ってるので、「逆に俺がメインじゃなかったら、誰にメインが務まるんだよ?」と思ってますし。「任せろよ」って感じですね。
―― 昨年の代々木大会は、「KNOCK OUTがここまで辿り着いた」という感じが強かったですが、もうビッグマッチも、普通とは言わないまでも、前回ほどの「特別なもの」という感じからは変わってきてますよね。
鈴木 そこがいいと思うんですよね。今まではビッグマッチがなかったけど、それを普通にやれるようになったということは、進歩に驚いてないってことですからね。前までは「うわっ、ついに代々木だ!」って盛り上がってたのが、「ああ、代々木でしょ」ってなれば、また次のステップに進めるということですからね。だからいずれは代々木第二じゃなくてもっと大きい会場になる可能性もありますし、ここを普通にこなしていかないと、次への発展はないのかなと。あとは他団体でも、「強い選手は?」って聞かれたら、挙がる名前って2~3人しかいないじゃないですか。KNOCK OUTも、強い選手は多いですけど、その中でずば抜けてるのは3~4人ですよね。だから他の団体とも差はないんですよ。だからこそ、そこで差別化するにはKOの多さしかないと思ってます。「他の団体は判定が多いけど、KNOCK OUTはみんなKOするんだよね」となったら、強い選手の母数は同じでも、内容は違ってくるじゃないですか。そういうところで見せていきたいなと思いますね。
―― 確かに去年のメインはあっという間のKO勝利でした。今年も?
鈴木 エンディングはバチッと締めますよ! どの試合もそうなんですけど、それが一番楽な勝ち方なので、結局それを望むことになりますよね。KOしないと早く終われないですし、一番見てて分かりやすいし、いろんなことの証明になるので。だから倒しますよ。判定の方が難しいです。
―― ちなみにこの2連戦が終わったら、少し休んだりするんですか? RIZIN出場の噂もまた出たりしていますが。
鈴木 まあ、試合が決まったらやり切るっていうだけですね。意図して休もうとかってことはないです。それでファイトマネーを稼いで、またチャリティーに使ったり、子供イベントをやったり、そういうところに力を注げる規模も大きくなるので。だからいっぱい試合した方がいいですよね。
―― では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
鈴木 もうこの試合に関しては、注目も何も、五味さんが築いてきた生き様と、これから僕が見せていく生き様を見届けてほしいというだけですよね。絶対面白い試合になるので。だって五味さん、山ごもりに行ってんですよ? そんな人の試合が、つまんなくなるわけないじゃないですか。僕だってRIZINでの試合が終わってすぐ練習してるんですよ。そりゃあ、つまんない試合にはならないですよ。だから、生き様を見に来てください。後悔させないので。
―― 分かりました。
鈴木 あ、あと、五味さんの試合がこれで最後になる可能性も高いと思うので、本当に見に来てください。実際、あと3試合あるかないかだと思いますし、僕はこれで最後にするような試合をしようと思ってるので、五味さんのファンの方、PRIDEのファンの方は絶対に見に来てください。
―― 分かりました。ありがとうございました!
対戦カード
※BLACKルールは肘無し・ワンキャッチワンアタックのキックルール。REDルールは肘有りキックルール。UNLIMITEDルールはREDルールに加え倒してからの打撃も有効なルール
メインイベント KNOCK OUT特別ルール(パンチのみ) 73kg契約 3分3R(延長1R)
五味隆典(東林間ラスカルジム/元PRIDEライト級(73kg)王者、元修斗ライト級(70kg)王者)
鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王者、RIZINフェザー級(66kg)王者)
OFG-RED 58.5kg契約 3分3R(延長1R)
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級(57.5kg)王者・元同スーパーバンタム級(55kg)王者、WPMF世界スーパーバンタム級王者、元ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
デーングリアングライ・シンマーウィン(デンクリアンクライ・シンハーマウィン)[Denkriangkrai Singha Mawynn](タイ/シンハーマウィンジム/元タイ・ラット・ミニフライ級王者)
RED 61kg契約 3分3R(延長1R)
重森陽太(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDライト級(62.5kg)王者、元WKBA世界同級王者、元新日本フェザー級&バンタム級王者)
レンタ・ウォーワンチャイ[松井蓮汰](ウォーワンチャイプロモーション/WMCインターコンチネンタル・WPMFインターナショナル・BOMライト級王者、Road to ONE JAPANムエタイ日本トーナメント2023同級優勝)
UNLIMITED 58.5kg契約 3分3R(延長1R)
栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元大和ムエタイ・フェザー級王者)
中村優作(TEAM FAUST/元WSOF-GCフライ級(56.7kg)王者)
BLACK 女子53kg契約 3分3R(延長1R)
ルシア・アプデルガリム[lucia apdelgallim](アルゼンチン)
NA☆NA(エスジム/ミネルヴァ・スーパーフライ級1位・元王者)
BLACK ウェルター級(67.5kg) 3分3R(延長1R)
渡部太基(TEAM TEPPEN/元Krush&WPMF日本ウェルター級王者)
小川悠太(誠真会館所沢道場/MA日本&KROSS×OVERウェルター級王者)
出場予定選手
龍聖(MAJESTIC/Team KNOCK OUT/KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者)
バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-REDスーパーライト級(65kg)王者、元KNOCK OUT-BLACKライト級(62.5kg)王者、元WMAF&MA日本スーパーライト級王者)
ぱんちゃん璃奈(フリー/元KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級(47.5kg)&アトム級(46kg)王者)
概要
大会名 KNOCK OUT CARNIVAL 2024 SUPER BOUT “BLAZE”
日時 2024年6月23日(日) 開場・12:00 プレリミナリーファイト開始・13:00 本戦開始・14:00
会場 東京・国立代々木競技場第二体育館 [HP]
中継 U-NEXT(2,189円/月)
チケット料金 VVIP席 300,000円 VIP席 200,000円 SRS席 50,000円 RS席 20,000円 アリーナS席 10,000円 スタンドS席 10,000円 A席 6,000円 ※当日券500円アップ ※6歳未満は入場無料。座席を必要とする場合は有料 ※一般発売5月17日(金)10:00~
チケット販売 KNOCK OUTオフィシャルショップ(5月9日(木)15:00~) イープラス チケットぴあ ローソンチケット 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 inquiry@knockout.co.jp https://knockoutkb.com/