団体内の同級に敵無し、防衛戦は不可能とまで言われいたがようやく実現した。日本人との対戦自体フェザー級のタイトルを獲得した96年5月以来となる。 天才的な運動能力、甘いマスク、スター選手の条件を兼ね備えている小野寺。しかしグライガンワーン、パーサタンと2人のタイ人に苦杯を舐めさせられ、K−1フェザー級トーナメントへの出場拒否に対するペナルティとしての出場停止。と、この所明るい話題がない。3月に行われた復帰戦も文句無しの勝利だったが、実戦のカンが戻らず不満の残る内容だった。今回は単に結果だけでなく中身でも納得させる試合をしたいところだ。 挑戦者のマサルは元々ライト級の選手であり、今までトップクラスの選手との対戦もなく、しかも最近リングネームを変えたばかりと言うことも有って知名度は低い。だからこそこの試合は一気に知名度を上げる大きなチャンスだ、勿論勝てば一躍チャンピオンとなる。
ヒーローは間違いなくマサルだった、小野寺の攻めを幾度か受けながら、その度勢いを取り戻し5Rにはダウンも奪など、試合全体の流れはマサルにあった。 小野寺は得意のボディーブローを封じられ、復帰戦以上に攻めが単調となりマサルの勢いを止めることが出来ない。マサルも決してテクニカルな選手ではなく、攻めはパンチとローの組立だが勢いがあるのだ。試合後「応援が力になった」とマサルは語ったが、この試合を分けたのは気持ちの問題だったかもしれない。 文 渡辺