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[第10試合]国際試合ミドル級約5回戦
小笠原仁 vs ポンチャイ・ゲオムサリット
笠原選手の戦歴はまだ6戦ながら、実力には定評のあるバロミ選手を破って王座につき、初の国際戦でも1RKOを飾り、めきめきと力を付けている。
 しかし、5月にアメリカで行われたDRAKA(ドラッカ/ロシア版のシュートボクシングと称される)では、パンチによるKO負け。公式に記録されることはないが、文字通り痛い敗戦にはちがいない。
 無類のハードパンチャーであることには間違いないが、防御とのバランスという点では課題も見える。戦歴を考えれば、十分に納得できる実力だが、しばしば引き合いに出される他団体の王者クラスとの対戦を視野に入れるならば、もう少しのバージョンアップを図る必要もあるかもしれない。
 今日は、ルンピニーの元上位ランカーが相手。当然、狡猾な試合を仕掛けてくるだろう。それをパワーで粉砕するか。それとも、新しい武器を何か見せるか。
 いずれにしろ、経験を積むには格好の相手である。



ラウンド1 笠原選手が右ロー、右ストレート、ワンツーと積極的に攻め込む。気合いもろとも放つパンチに早くもガードを固めるポンチャイ選手。頭を下げ始めたポンチャイ選手に、打ち下ろしのストレートを浴びせ、最後は右ヒザを突き上げて最初のダウンを奪う。
 再開後も、右ローからワンツー、ボディブローを打ち分け、ガードの上から激しく叩き付ける。そして、右ストレートがヒットして再びダウン。
 これも立ったポンチャイ選手だが、小笠原選手のラッシュは止まらず、気勢を上げてパンチを打ち下ろす。ポンチャイ選手も何とかヒジを返して反撃を試みるも、ガードをとろうとしたところにワンツー、フックを畳み込んで3ノックダウン。

 
 パンチの連打であっさり終わった


んとも、あっけない試合だった。ルンピニー「元」3位とはいうものの、一体いつの話か、とささやかれるほど覇気のなかったポンチャイ選手。
 小笠原選手の気迫とパワーが優った、ということもできるだろうが、あまりにポンチャイ選手の動きは悪かった。あれでは、小笠原選手も満足できまい。

   この試合では、小笠原選手の真の実力は図りがたい。
 せっかくの1RKOも、続く小野寺VSアタル戦、武田VS寺岡戦の迫力にすっかり色褪せてしまった感がある。
 次こそは、小笠原選手の潜在能力を引き出すような対戦相手との試合を期待したい。


文 片岡


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