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小森次郎(名古屋JKF会長)インタビュー
1998.9.12 ルンピニースタジアム内

Q:あそこら辺の警戒ってのは?。

小森:うーん、ヒジは、使わしたら巧いですから、ええ。すぐ切られちゃいましたから。だから、距離とって、鈴木なんかの場合はパンチ出してローだったんですけど、いきなり、ロー、ローでいって、それから、ロー、パンチ、ローって行ければよかったんですけど、ついついパンチが当たるから、ちょっとパンチに力入りすぎたって感じが。あと、これは今後直すことなんですけど、どうしても、オーソドックスと闘うことが多いから、ローが打ち下ろしすぎるんですよ。だから、もうちょっと水平に蹴れたら、すり上げて来るような、ローを蹴れるようになれば、十分、たとえば再戦した場合、十分勝機があると思いますけど。

Q:水平に蹴るローと、打ち下ろして蹴るローの違いは?。

小森:伸びが違います。だから、水平に蹴った方が伸びますから、距離が、自分が遠くにいても蹴れるわけですよ。だから、あの、サウスポー、相手がオーソドックスの場合は、奥蹴りますんで、その打ち下ろしのローで良いんですけど、前足蹴りますんで、パンチ合わされたりヒジ合わされたりするんで、だからちょっと遠目ですり上げるようなローで一番遠い距離で蹴れるようにすると、鈴木なんかは比較的それが巧いから、あんまり相手のパンチもらったりしないんですけど、佐藤の場合、どうしても右と闘うことが多いですから、ちょっとそれは今後なおしておいた方がいいなってところですね。

Q:勝負の分かれ目は、どこら辺だったと?。

小森:切られてからですね。切られてから、もう、ちょっと、死にかかった目が生き返りましたから。(相手の?)ええ、そうです。だから、切られてから、流れが変わっちゃったって感じですね。

Q:佐藤自身の動きはどうだったでした。切られたあとの?。

小森:切られたあとですか?でも、その切られたことの意識はないと思うんですけど、パンチ頼っちゃったから、ええ。ちょっとそれが。

Q:見た感じでは、相手にヒザのカウンターもらったあと、少し下がっちゃったような感じで。そこから首相撲に入っていっちゃったかなって。

小森:うーん、そうですね、うーん。首相撲は、まぁ前評判であんまりやらないって話だったんで。だからこっちから、チャンスあったら、組んでっていいってことは言ってあったものですから。一回組んでみて、どんな感じになるか、その後様子見ようと思ってたんですけど。ちょっと、最初でやられちゃったんで。巧かったですよね・・・。

Q:それで一回、佐藤選手の体も泳いじゃって、その後、どんな・・・?。

小森:そうですね、首相撲がもっと、もうちょっと弱い予定だったんですけど、巧かったですよね。接近戦が絶妙でしたね相手は。だから、やっぱり離れて闘いたかったですね。全体的にいって。

Q:唯一の失敗はそこらへんに?。

小森:そうですね、パンチが当たっちゃってついつい欲が出ちゃってのが失敗じゃないですかね。

Q:それとあとは、相手の首相撲がうまかったっていうのが。

小森:そうですね。予想より巧かったですね。鈴木の相手があんまり巧くなかったから・・・そういう、その安易な考えは捨てるつもりだったんですけど、やっぱり、ちょっと心に隙があったかなっていう気はしますね。あと、まぁこれは自分の反省なんですけど、1ラウンドの途中で声出なくなっちゃったんですよ。急にのど潰れちゃって。がなっても、何にも聞こえないんですよ。そしたら、うちのセコンドは、みんな僕のいってること復唱してるだけだから、僕が言わないと何にも言わないんですよ。だから、それがちょっと佐藤に対して申し訳ないと思って。ちょっと、その、セコンドでもやっぱり練習、選手でもそうなんですけど、やっぱ起承転結ってあるじゃないですか。徐々に上げてって、最後きちんと締めてっていう。僕は、その「結」がのど潰れちゃって、パーだったですから、もう、セコンドとして失格ですね。だから、どんなにミット持ってても、どんなにいい指示できても、指示が聞こえなきゃ、何にもならないですから。だからそういう点で、もう、今回は、ちょっと申し訳ない気持ちでいっぱいなんです。だから、次、そういうことないように、タイでもちゃんと声が通るようにしたいなと。それは、まぁ自分自身の反省で思ってます。佐藤はまぁ、よくやったと思うんですよ。はい。鈴木とやったタイ人とは、レベルが違いますから。それだけはもう、見れる人なら見れると思うんですけど、ええ。言ったら失礼ですが、新田とやった外人より、鈴木とやったタイ人の方がレベルが高いし、鈴木とやったタイ人より、佐藤とやったタイ人の方がレベルが高いということは、分かる人には分かると思うんですけど、結果しか見ない人には分かんないと思うんですけど、それだけは言っておきたいです。

Q:今後のことなんですけど、佐藤選手とりあえず試合組まれていますが?。

小森:ちょっとタイトルマッチは無理じゃないかと思うんですよ。だから剥奪なら剥奪で良いです。王座決定戦で、暫定王者でも決めてもらって、もう一回挑戦すればいいことですから。延期してくれればそんなありがたいことはないですけど。だから、ともかく十分治して、12月くらいにでも復帰できるようにと思ってます。

Q:正式決定ではないにしろ、小森会長の立場からしたら・・・。

小森:難しいですね。13針縫ってますから。はい。ま、返上って言う気持ちはないんです。剥奪してくれ、って気持ちはあるんですよ。もう怪我で仕方ないですから。だから、延期してくれるんなら延期して欲しいし、延期できないなら、剥奪してくれっていう気持ちです。返上っていうのは、やっぱり力のある者が「もう辞めます」って感じで返上するものですから。剥奪か、延期かどっちかだと思います。

Q:佐藤選手にプレッシャーが掛かりすぎてるんじゃないかという気もしますが、試合前の様子っていうのは?。

小森:いや、落ち着いてましたよ。ちゃんと。ただ、ちょっと準備早くしすぎちゃって。まぁ、時間読めないですからね。鈴木のときが第2試合終わってから準備してピッタリだったもんですから同じようにやったんですけど、ちょっとなんか、待ち時間が多くなり過ぎちゃって、それが、ちょっと失敗かなって思ったんですけど。佐藤自身は、そんな、プレッシャーを感じてるって感じはなかったですけど。だから、逆に、自分も、同じ様にやれば勝てるから続けよ、って言ってましたし。

Q:計量のトラブルの影響って言うのは?。

小森:うーん、そうですね、まぁ、精神的にちょっとあったかも知れませんけど。ただ、飯は、先に喰うか、あとに喰うかだけですからね。あのくらいの量は、どっちみち食べますから。それはもう、タイだから、言い訳せずに。相手も同じ条件ですから。相手も腹出てましたから、あれは相当無理に喰ったっていうことですから、同じ条件ですから、それは仕方ないと思うんですけど。

Q:技術的な部分でそういう問題点が発見できたっていので、一応収穫アリっていう風に思っていいんでしょうか?。

小森:そうですね、どんな試合でも絶対マイナスになるってことはないですから。絶対に、今回、負けたからどうこうじゃななくて、勝つにしろ負けるにしろ、試合すれば絶対力になりますから、だから今回、あのヒジを覚えれたら、今度ビデオでも見て、あのタイミングあの角度、自分で今度出来るようになったらいいんじゃないかと思うんですけど。

Q:ありがとうございました。


収録:ジャズ大名 構成:渡辺


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