第2回ウエイト制オープントーナメント
全日本空手道選手権大会２０００
（正道会館主催）9月10日 大阪府立体育会館
重量級
１５名の参加。注目は９７’〜９９’スイス王者のハリス・ライズ(スイス）。そして、階級が分れたことで”打倒、子安”は果たせないものの、優勝を狙う出畑力也。
体のあるのはあたりまえ、それだけに、一発のダメージが大きいこのクラスは人数が減っても、厳しさはかわらないものだった。
本戦出場選手
門久雄（豊中）、徳原泰禎（総本部）、加藤達哉（東京本部）、森貴史（東京本部）、出畑力也（東京本部）、楢迫義治(別府）、ハリス・ライズ(スイス）、安田将雄（無門塾）一回戦シード
Ａブロックは一昨年のチャンピオンの門が、徳原にたいし強さを見せ勝ち進んだ。加藤と森の同門対決を制したのは、終始いい蹴りを出した加藤だった。
Ｂブロックは出畑が樽迫に延長に持ち込まれるも勝ちをおさめた。ハリス・ライズは他流派安田を下し、勝ち進んだ。
準決勝
門久雄（豊中）ｖｓ加藤達哉（東京本部）
互いの攻撃は見えていて、ガード出来ているが攻められない、両者とも自分の攻撃のパターンに持っていけない。パンチで押していこうとするが押し切れない門、得意のヒザを出したいが単発になってしまう加藤と、お互いにやりたいことが充分出せていない不完全な展開であった。（判定０−１）
延長戦に入って、加藤の突きが門のボディを攻める。下段から突きへ、得意のヒザへと徐々にコンビネーションを作っていく加藤に対し、門の攻めは単発になる。後半に門の下段、加藤の中段、ヒザと激しく蹴りあう場面もあったが試合は加藤のものだった。
延長 ０−５ 加藤達哉
出畑力也（東京本部）ｖｓハリス・ライズ(スイス）
出畑は下段の蹴りから組み立てて相手の動きを止めておいて突きを狙う。ハリスは中段の蹴りと膝を効かす距離を突きから作ろうとする。どちらも下がらず強気の攻めでいく。終了間際には接近しての中段の突きから下段の蹴り、中段の蹴りの激しい攻め。だが、どちらもダメージは少ない。（判定０ー０）
延長すぐ、ハリスの上段突きがアゴに入り顔面殴打注意１となった。このアクシデントでの失点を取り戻すべくハリスは積極的に、突きから下段の蹴りや得意の膝蹴りに繋いでいく。一方、出畑は前半は、攻撃を良く見て下段の蹴りを出し、後半も突きから、内股への下段を効かせていく。終了間際にハリスが盛り返し、下段の蹴りでじわじわ押していった。
再延長戦かと思われた好試合だが、ここでそれに水を差すアクシデントが発生する。終了を知らせる小豆袋が投げ込まれたのだが、主審の反応が間に合わず、試合を止めるのが遅れたのである。それは小豆袋の投入と同時に鳴るはずの太鼓の音が鳴らなかったためである。その微妙な時間の中で、ハリスの上段の突きが、再び出畑のアゴに入ってしまったのだ。本来なら試合終了後の打撃としてカウントされることの無いそれがインプレーとみなされ、ハリスは顔面殴打注意１で減点扱いを受けたのだ。この減点１が効き、軍配は出畑に上がった。ハリス顔面殴打がカウントされるのは流れ上で仕方がないとしても、試合の機微をわける重要な局面だけに、より厳密な競技運営を求めたいと思わされる瞬間だった。
延長５−０ 出畑力也
決勝
加藤達哉（東京本部）ｖｓ出畑力也（東京本部）
決勝は東京本部同士の同門対決となった。加藤は、突きからの下段上段の蹴りで出畑にペースを取られないように攻めていく。出畑は、攻撃をよく見て下段の蹴りを入れて、相手の動きを止めようとする。終了間際に、出畑の顔面に加藤の打撃が入り、出血し中断する。加藤に顔面注意１。どちらも、決め手の無いまま判定となった。（判定０−０）
延長に入り、蹴りを効かせたい加藤にたいし出畑は前蹴りで距離をとり近付けない。出畑は、突きを上下に振って、効かせていく。加藤は上段のヒザ、内股への下段の蹴りと攻めていく。どちらも、単発な攻めになっていたように見えた。（判定０−１）
再延長戦にまでもつれ込んだ。出畑の下段が効いてきたのか、加藤の足が止まってくることが多くなった。加藤の攻撃が出畑の顔面に入り顔面注意１。
出畑は、下段の蹴りを集めていった。 突きから内股への下段の蹴りで加藤の足をとめた。加藤も中段の蹴りで狙ってくるが、出畑はカウンターの下段を合わせるなど粘り強さを見せて、勝利をおさめた。
再延長０−５ 出畑力也
優勝 出畑力也（東京本部）
準優勝 加藤達哉（東京本部）
三位 ハリス・ライズ(スイス） 門久雄（豊中）
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